こんにちは。tomokoです。
ファーストブログの続きをお届けします。
今回の子どもたちへのメッセージは『食べる物を選びなさい』ということです。
「栄養点滴だけでは人は生きられない」ということを伝えたいと思います。
生きることとは食べることを学んだ経緯
私の壮絶なリハビリ生活が始まりました。それは自分にとって、想像を超えた辛さでした。
リハビリ時間中、同じ動作を繰り返し行うことで、最後には出来るようになっていきました。
しかし、極限の痛みと疲れの後に感じる達成感も束の間、
翌日にはまた全く動けなくなるという日々。
その頃のことを思い出すと、焦燥感と自己否定の気持ちで今でも苦しくなります。
最も辛かったリハビリは、口を開けることでした。
脳のクリッピング手術の影響で、予期せぬ麻痺が顔全体に広がっていたのです。
どんなに頑張っても2センチほどしか開かない口。喋れない、食べられない毎日。
左右の手足にも麻痺があったため、自分の意思を指差しで示すことすらできない日常に、
心はどんどん塞がれていきました。
発症から1ヶ月ほど経過したある日、回診時に担当医から衝撃的な言葉を告げられました。
「このまま点滴を続けていても回復しません。
口から栄養を摂取できなければ、元気になることはできないんですよ。
頑張って口の開閉のリハビリ、舌や顎を動かす咀嚼、つまり噛むという練習をしてください。」
当時の私にとって、それは不可能への挑戦でした。
しかし、生命維持のための必死のリハビリは徐々に効果を見せ、
少しずつ唇が開くようになっていきました。
液体や果汁など、口から食べ物を摂取できるようになるにつれ、
体内にエネルギーが入っていくのを実感。
人間の身体の仕組みに改めて驚きを覚えました。
『栄養点滴だけでは人は生きられない』 このことを、身をもって学びました。
栄養点滴の限界について
食事ができずに水のみで生活した場合の余命は約2〜3週間、水も摂取しない場合は
約3〜4日とされています。一方、末梢静脈栄養(一般的な点滴)での余命は、
平均60日間という調査結果があります。
人間の身体は、口から食べ物を摂取して消化し、腸で栄養を吸収して血管内に送り込みます。
そして身体中の細胞に酸素や栄養素を届け、細胞はそれらを受け取ってエネルギーを
作り出すのです。これが、消化、吸収、代謝の流れです。
入院中に学んだこと
長期の入院生活で、多くのことを学びました。
脳神経外科病棟では、様々な患者さんと出会います。
集中治療室の患者さんの半数以上が救急搬送された方々でした。
限られた面会時間の中、心配そうに患者に寄り添うご家族の方々は、
皆同じような言葉を口にされていました。
「お薬をあれだけ飲んでいたのに。」
「飲み忘れないようにちゃんと服用していたのに。」
「なぜこんなことに…」
血圧降下剤、血液をサラサラにする薬、コレステロール低下薬など、
脳血管疾患で救急搬送される方の多くは、日頃から多くの薬を服用されています。
そんなご家族に対し、医師は必ず同じ説明をされていました。
「薬を飲めば倒れないというわけではありません。薬はあくまでもコントロールするだけで、
倒れる原因はその人の暮らしの中にあるのです。」
「救急搬送され、私たちが必死の手術と治療で命を繋いでも、
退院後に発症前と同じ生活に戻れば、また同じことが起きるでしょう。
残念ながら、倒れた原因が自分の生活習慣にあったと、しっかり見直す人は少ないのです。」
救急搬送された方々の多くは、1ヶ月前後の入院の後、麻痺が残った体で車椅子での
退院となりました。皆、悲しそうな表情を浮かべていました。
私はその姿を見て、健康でいることは決して当たり前ではないこと、
そして食事を含めた生活習慣の見直しこそが、病気という身体からのSOSを受け取った後に
必要不可欠だということを学びました。
今回のブログはここまでとさせていただきます。
次回は、生活習慣の見直しに必要なことを具体的にお伝えしていきます。
コメント